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[未来を見つめる わたしの地域のSDGs](102) 品質向上、労力軽減へ 水稲除草剤の水口施用試験 JA阿蘇

2023.06.22
自動給水機を用いた水口施用

 JA阿蘇営農部は5月上旬、管内の営農法人の圃場(ほじょう)で水田用自動給水機「アクアポート」を活用した水稲除草剤の水口施用試験を実施した。目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の実践により、同JAは管内における農産物の品質向上・農作業の労働力軽減を目指す。

 JA管内の営農法人では離農者や作業委託の増加により、水田管理での作業負担が増加しており、特に田植え後の除草剤散布作業において作業負担軽減が課題である。

 アクアポートは、水田の水位を感知し、給水と止水を自動で行う。水管理を徹底することで、除草剤の処理層構築に必要な水管理ができるため、除草効果の安定化が見込まれる。

 今回の試験では豆つぶ剤を用いて約30アールにおける散布所要時間を計測した。比較した結果は水口施用が6秒、ドローン散布が3分、ひしゃく散布が6分23秒と大幅に作業負担を減らす結果となった。今後は試験区の雑草調査や収量調査を引き続き行う。

 農事組合法人水穂やまだ代表の中西洋介さん(48)は「200筆近くある圃場の管理作業はとても時間がかかるが、阿蘇ブランドのお米を出荷していくには必要不可欠な作業。今回の結果を得て、労働力や作業量の軽減が見込まれ、管理作業の効率化が見込めるため、他の圃場でも実施していきたい。」と話した。