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[人つなぐ、JA 私たちの自己改革奮闘記](240) 新規就農手厚く支援 JAあしきた

2023.02.14
牛に給餌をする濱村さん

 管内生産者の高齢化が進むJAあしきたは、将来の産地を担う農業者育成のため、県の他、地元市町や農業委員会とで農業振興協議会を組織し、技術育成や設備手配など総合的な新規就農者の支援に力を入れている。

 2022年10月から黒毛和牛の肥育と繁殖の経営を始めた濱村輝さん(32)は、協議会の支援を活用して就農した1人だ。「自己資金ゼロで畜産を始められたことが一番大きな支えとなった」と濱村さんは話す。

 JAの紹介で、高齢で離農する生産者から畜舎3棟と肥育牛66頭を継承。さらに就農時に繁殖牛7頭、子牛5頭、機械設備を導入したが、これには主に公的な補助金を活用した。

 通常は繁殖牛1頭あたりの導入に70万円以上かかるが、自己資金ゼロで始められた。

 初めは全く畜産に関する知識は無かったが、1年9カ月の間にJA畜産部会の生産者5戸の元で研修を積み、給餌、分娩(ぶんべん)、人工授精の方法を学んだ。

 研修期間中に人工授精師の資格も取得。現在は濱村さんの元にJA指導員が毎月2回は必ず訪れ、牛の健康状態や大きさを確認する。分からないことはLINEで尋ねればいつでも相談に応じてくれるという。

 「生産者やJA職員の大きな支えもあり、これまでの4カ月間は牛の死亡、分娩事故が無くやってこれた。これから不安もあるが周囲の期待に応えていきたい」と濱村さんは意気込みを語る。