熊本の農畜産物

秋の味覚 地域ブランド「球磨栗」出荷スタート JAくま

2022.08.23
初選果を迎えた「丹沢」

 JAくま管内で8月16日、秋の味覚を代表する栗の出荷が始まった。荷受け初日を迎えたJAくま下球磨選果場には、早生品種「丹沢」約124キロが持ち込まれた。

 担当者は選果基準を確認し、小型選果機に流し込んで栗の不良果混入がないかをチェック。サイズごとに選別してから、名古屋の市場へ出荷した。品質は良好で2L級が中心だ。

 熊本県は生産量全国2位で、JAは県内最大の出荷量を誇る。盆地特有の寒暖差で果実の充実と品質が良好に育つ「球磨栗」は、市場でも高い評価を得ている。2020年産は豪雨被害や台風接近で450トン程度まで出荷量が落ち込んだが、改植や新植などで園地は回復傾向にある。22年産は10月中旬までに総出荷量550トンを見込む。

 生育状況は冬の冷え込みが続き全体的に2週間程度の発芽遅れとなり、満開期の遅れが見られたが、平年並み着毬(ちゃっきゅう)となった。生育が遅れ、早生品種「杉光」「ぽろたん」の収穫開始は2日程度遅い9月初旬を予想している。9月中旬から中生品種「筑波」「利平」の収穫が始まり、晩生種「美玖里」へリレーする。

 JAくま果樹研究会栗専門部会は、事前に開いた出荷会議で出荷基準を確認した。品種選別や不良果混入防止のための水選別など、家庭での選別徹底を強く呼びかけた。

 同部会の髙野和夫部会長は「剪定(せんてい)や施肥なそ、愛情を持って管理すれば必ず結果は出る。家庭選別を徹底し市場の期待に応えたい」話した。