
JA熊本市は5月中旬、川尻地区の水田で耕種作業の省力化を目的としたドローンによる湛水直播試験をした。直播機を使った播種作業や田植え機による苗移植に比べ、時間と労働力を大幅に削減できる。
同日、川尻地区の水田6アールで試験を実施。メーカー数社、JA熊本経済連、JAの職員ら約20人が参加した。薬剤が表面を覆っている種もみ「リゾケアXL」(3キロ)を2分で播種。その後、除草剤「ベルーガ」(600グラム)を1分で、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)防除剤「スクミノン」(2キロ)を2分45秒で散布した。
「リゾケアXL」は酸素供給剤、苗立枯病の防除、害虫から苗を守る薬剤をコーティング処理してある水稲種子で、苗立ちを安定させられるのが特徴。
ドローンはグリーンテック(株)が扱う。10キロの薬剤を搭載でき、A3フライトコントローラーやレーダー認識システムなど、信頼性を高め精密な作業を可能にする最先端技術を装備する。
同地区では基盤整備が予定されており、水田80ヘクタールを8人の担い手で管理していく。従来の田植え機に代わる技術として、ドローンの直播栽培を検討する。
営農指導課の中田穂波さん(32)は「ドローン直播は、準備の時間を含めても大幅な時間短縮が可能で、省力化もできる。湛水直播は、播種時に水が必要であるため水利の問題があるが、今後ドローンの普及と合わせて推進していきたい」と話した。