JAやつしろ南部トマト選果場で「くまもと塩トマト」の出荷がピークを迎えている。5月末まで全国へ出荷される。
塩トマトは糖度など一定の基準を満たしたトマトのことを言い、同JA管内のトマトからわずか1%程度しか取れない貴重品。2021年10月には「くまもと塩トマト」として地理的表示(GI)保護制度登録を受けた。
土壌中の塩分濃度が高い一部の圃場(ほじょう)から偶然取れる。中には通常のトマトのおよそ2倍に当たる糖度10以上の物もある。外観は通常のトマトより小ぶりで実は硬く、非常に味が濃いのが特徴。
トマト選果場利用組合高糖度トマト部会の藤本直樹部会長は「塩トマトは狙って作れる物ではなく希少。数本の限られた幹からしか収穫することができず、通常の幹とは管理も異なるため、苦労も多い」と話す。
1月下旬、同選果場には約700キロが入荷。1玉ずつ糖度センサーにかけられ3種類のランクに分けられた。糖度10以上のトマトは最高クラスの「ロイヤルセレブ」として販売される。
営農部施設園芸課の濱石健哉さんは「年明けごろから順調に出荷量が増え始め、コロナ禍に負けず販売も順調。個人販売も受け付けているので、希少な塩トマトを家庭で味わってほしい」と話す。