熊本の農畜産物

アスパラ販売好調 3年連続で8億円突破 熊本・JA阿蘇

2021.10.28
アスパラガスの選果をする作業員ら

 JA阿蘇一の宮選果場では、アスパラガスの選果作業が終盤を迎えている。10月に入り、例年になく高温で推移していることもあり、昨年同月出荷量の2倍となっているが、今後は朝晩の気温が低下し、出荷量は減少していくと見込む。

 同地区のアスパラガスは、9月末の販売実績で、出荷数量752万7634束(前年比106・8%)、販売金額8億5147万円(同103・2%)、キロ単価1131円(同96・6%)で、過去最高の販売金額となり3年連続で8億円を突破した。

 昨年同様にコロナ禍で、販売面では試食宣伝会などの企画もできず、不安な状況でのスタートとなった。

 しかし、昨年末から出荷開始前までの期間、各市場担当者と意見交換をすることで、それぞれの消費地に合わせた販売形態づくりに注力した。

 その結果、春芽は例年以上にスムーズな販売となった。夏芽は、昨年以上の出荷量となったことと都市圏中心の緊急事態宣言の影響を受け、単価面で苦戦を強いられたが、同選果場担当の後藤真智さんは「コロナ禍で多くのことを学び、今までの販売形態ではアフターコロナは乗り切れない」と話し、2022年度以降の販売形態と販路見直しを検討する。

 同部会では、昨年に続き、出荷経費削減と春芽最盛期の選果作業負担軽減に取り組んだ1年となった。出荷終了後に検証を行い、さらに効率を上げ、販売力の強化につなげたいとしている。

 同選果場では、新型コロナウイルス感染予防対策として作業員の検温、うがい薬配置や作業員休憩場所でのパーティション設置などを行った。さらに生産者へは注意喚起の文章配布や生産者間の連絡手段として活用しているLINEで、定期的に情報を送信した。生産者とJAが一丸となって、あらゆる課題などに、できることから対応を続けた一年となった。