
2025年産熊本デコポンは、新規格段ボール箱による出荷が本格的にスタートする。JA熊本果実連は8月下旬、熊本デコポン生産・販売対策会議を熊本市内で開いた。本年産から新規格段ボール箱への切り替えを進め、改正物流法に対応していくことを報告した。
熊本デコポンは販売を開始35周年を迎える。近年、物流の効率化や働き方改革で、物流「2024年問題」が懸念されていた。そのため昨年から持続可能な物流の実現に向け、同連とJA全農えひめは国が推奨する統一規格のパレット輸送に対応した新規格の出荷資材を協議してきた。
卸売会社12社や産地リーダー、行政関係者ら約50人が出席した。新規格段ボール箱を使ったパレット輸送を説明。市場と連携して進めることを確認した。
JAや行政、産地が一体となって取り組む温暖化対策や「8月6日からの大雨による災害」の説明もあった。
生産対策では、近年の猛暑で日焼け果の発生が増えた。同連は、高温対策資材の導入支援事業を実施。遮光ネットの被覆率は約10倍に達した。25年度は、災害支援対策を含めた気候変動対策などの支援に1億500万円を計上する。
消費拡大対策では、同連PR公式キャラクター・ジューシーくんを活用した販促資材を作る。12月1日の初売りや3月1日の「デコポンの日」にイベントを開き、熊本デコポンの35周年をPR、ブランド力向上を図る。
橋本明利会長は、市場関係者に「災害や物流への対策を進め、行政、JAと連携して販売対策を強化する。消費者に確実に届けてほしい」呼びかけた。