熊本の農畜産物

7月豪雨乗り越えハウス桃出荷 浸水被害から再起

2021.05.19
桃の生育を確認する丸目さん夫妻

 JAくま管内で10日、2021年産ハウス栽培の桃の出荷が始まった。3月以降気温が高く推移して平年より約7日早い。JAモモ専門部会の丸目光孝さん(70)と妻みり子さん(67)は、人吉市でハウスと露地計40アールで栽培する。21年産は糖度も高く高品質に仕上がっているという。

 丸目さんは昨年7月豪雨で氾濫した球磨川から南に約100メートルの場所に家屋や倉庫、ハウス桃の園地を持つ。家屋・農業機械・ハウス桃の園地などが50~70センチ浸水。収穫中だった露地栽培の園地へ向かう道路が土砂で寸断する被害を受けた。

 被災後も園地を整備。再起を目指してきた。管理面ではハウス内の温度や病害虫対策などに注意を払い、無事に収穫を迎えた。

 11日は、着色を確かめながら約100玉を丁寧に収穫。栽培を始めて約45年の丸目さんは、収穫時の目安を着色だけでなく、桃から伝わる手の触感も大切にしている。「手のひらセンサー」と呼び、「完熟度合や品質、果形、サイズを即座に判別する方法の一つ」と笑みを見せた。

 JA専門部会は、部会員42戸、栽培面積約24ヘクタール。品種は「ちよひめ」「はなよめ」「日川白鳳」が中心で6月いっぱい続く。作型別の収量はハウス8・5トン、トンネル12・6トン、露地30・9トンを計画している。