熊本の農畜産物

宿根カスミソウ良質 熊本・JA菊池県内先駆け出荷 6月まで317万本

2021.10.08
収穫作業をする阪本さん

 JA菊池管内で宿根カスミソウの出荷が始まっている。長雨などによる日照不足で生育が心配されたが、品質良好で9月中旬から県内で先駆けて出荷が始まった。JA花卉(かき)部会では、41戸が24ヘクタールで栽培する。9月は9戸が出荷。10月下旬から出荷本番を迎える。

 同部会の主力品種「アルタイル」は、栽培面積の8割を占める。花粒が大きめで、白さが際立ち、アレンジメントや花束、生花など、幅広い材料として人気だ。同部会カスミソウ専門委員会による日持ち試験の継続などにより、日持ちが良いと市場での評価も高い。

 菊陽町でカスミソウを栽培する阪本貢紀さん(26)は就農6年目。両親と共に1・2ヘクタールで栽培する。若手後継者でつくる青年部の学習会に参加して、技術や経営管理などを学び力を付ける。

 阪本さんは「夏の長雨には心配したが、花付きもよく安心した。最盛期に向けて忙しくなるが、小まめな管理、適期収穫、丁寧な出荷調製で、品質の良いものを見極めてしっかり出荷していきたい」と、収穫作業にも力が入る。

 同部会の菅誠輝部会長は「コロナ禍で、昨年から女性部役員による販売促進もできず、イベントの減少で販売面は厳しいが、良い花作りをさらに強化し、魅力ある産地にしたい」と話した。

 JAの冨田惇志指導員は「今年度は、6月までに317万本の出荷を見込んでいる。しっかり部会を支え、菊池の花を全国に届けていきたい」と決意を込める。