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ドローンで水稲直播 時間・労力大幅削減 「リゾケアXL」種子使用 JA熊本市

2021.06.10

 JA熊本市は、水稲の種もみまき、除草剤散布、防除の全作業にドローン(小型無人飛行機)を取り入れることを目指す。直播(ちょくは)機を使った播種作業や田植え機による苗移植に比べ、時間と労働力を大幅に削減できる。栽培する品種は「くまさんの力」。

 5月27日、川尻地区のたん水した田6アールでドローンによる種もみの直播試験をした。JA、JA熊本経済連、メーカー数社が参加。薬剤が表面を覆っている「リゾケアXL」種もみ(2・7キロ)を約4分で播種した。その後、除草剤「ベルーガ」(600グラム)を3分で、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)防除剤「スクミノン」(2キロ)を8分30秒で散布した。

 「リゾケアXL」種子は酸素供給剤、苗立枯病の防除、害虫から苗を守る薬剤をコーティング処理してある。苗立ちを安定させられるのが利点。

 ドローンはヤンマーアグリジャパンが扱う。センサーで障害物を回避でき、安全性は高い。場所や天候に合わせて飛行コースや高度などを事前に設定し、セミオートで操作することが可能だ。

ドローンでの直播試験をするメーカー職員ら

 JA管内では生産者数が減る一方で、1人当たりの経営面積は拡大している。JAは今後もその傾向が続く可能性は高いとみる。従来の田植えに代わる技術として、ドローン農業の体系化に関係者は期待を高めている。

 JA西南営農センターの木村仁さん(46)は「農家の高齢化や、後継者不足による人手不足など、農業現場の問題解決につなげたい。これからの技術の進化に期待する」と話した。