熊本の農畜産物

【イチゴ】天敵使い労力軽減 減農薬で質量も向上 全国野菜研で事例発表も 消費者には「安心」/JAたまな

2019.08.02
事例を発表する横島イチゴ部会の岩本前部会長

 JAたまな横島イチゴ部会は、「ゆうべに」栽培で天敵を利用した害虫防除に力を入れている。天敵導入で繁忙期の薬剤散布の労力軽減につなげた。減農薬栽培と環境保全型農業の推進で、部会が目指す「安全・安心で高品質イチゴの生産」を進めている。

 JAは、2015年に県育成品種「ゆうべに」の試験栽培に着手。「ゆうべに」は大玉で着色に優れ食味良好。年内収量の多さが特徴だが、15年産はハダニが発生し大きな被害を受けた。そこで、同部会は「ゆうべに」を本格導入した16年産から、ハダニ類の天敵「チリカブリダニ」「ミヤコカブリダニ」をハウス内に放飼した。

 部会が16年に部会員対象でまとめた天敵利用に関するアンケートでは76%が「良かった」、21%が「まあまあ良かった」と満足度が高かった。「農薬の散布回数が減少して楽になった」「収穫期間が長くなった」など、省力化や秀品率・収量の増加を実感する回答の他、「ミツバチの働きが良くなった」という農薬散布回数の減少による副次的効果もあった。17年産からはJA管内の他地域のイチゴ部会でも天敵の利用が進んでいる。

 JA担当者は「天敵利用で、ハダニの発生減少効果はもちろん、減農薬栽培による消費者の安心獲得にもつながるのではないか」と期待する。
 
 7月中旬には、第64回全国野菜園芸技術研究会熊本大会で、前部会長の岩本正治さんが「総合的病害虫・雑草管理(IPM)を取り入れた熊本県育成イチゴ『ゆうべに』の栽培」と題して事例を発表。岩本さんは「天敵利用を進め安全・安心なイチゴ作りに取り組み、収益性が高くゆとりあるイチゴ経営を目指す」と意気込んだ。