熊本の農畜産物

【米】省力化実証手応え 玉名市農事組合法人 多収米「やまだわら」

2018.11.03
農事組合法人野口の圃場で「やまだわら」を収穫する生産者

 熊本県玉名市岱明町の農事組合法人・野口は、稲作の省力化・低コスト化のため、直播(ちょくは)の実証実験を進めている。規模拡大の最大のネックとなっていた育苗の負担軽減が狙い。今季、収穫して慣行栽培と比較し、生育に差が出なかったことが分かった。導入に向け、今後も実証を重ねる方針だ。

 同法人の規模は生産者58人、面積約110ヘクタール。この取り組みで農業者の所得増大、農業生産の拡大につなげる。

 農研機構・九州沖縄農業研究センターの協力を得て5月末、同法人の圃場(ほじょう)80アールで、乾田畝立て直播機を使い、多収米「やまだわら」の種子をまいた。畝を7列立てると同時に、播種もできるため、育苗作業も田植え機も必要ない。育苗資材のコスト削減や、作業負担軽減が見込める。

 10月下旬から稲刈りを開始。今年産はトビイロウンカの被害は少なく、良好な出来。JAたまなの担当者は「従来の田植え機を使った圃場と、直播機を使った圃場に、生育面で大きな違いはなかった。今後も実証を重ね、本格導入に向けて取り組む」と力を込めた。

 JAたまなは、2014年から大手回転ずしチェーンと提携し、「やまだわら」を全量出荷してきた。国内外の外食需要獲得のため、17年産からは香港、シンガポールへ輸出を開始。今年産はタイと台湾へ105トンの輸出も計画している。JA担当者は「多収米生産で、実需者の求める米作りを目指す」と話した。