
JA熊本市の野菜選果施設では、JA阿蘇の特定技能外国人が選果作業を行っている。出荷最盛期が異なる2JAで特定技能外国人に通年で働ける環境を提供しながら、選果場の人手不足を解消する。JAの垣根を越えた労働力融通の取り組みは県内で初めてだ。
平地が多い熊本市と、高冷地に位置する阿蘇では、互いに主要な青果の出荷繁忙期がほぼ重ならないことから、両JAで契約を締結した。JA熊本市は選果場の繁忙期に人手不足を解消でき、JA阿蘇は特定技能外国人が年間を通して働ける体制の整備ができる。
両JAでは2016年の熊本地震以降、出荷繁忙期の選果場の人材不足が問題となっていた。19年にJA阿蘇が特定技能外国人を雇用したことを契機に、両JAで業務受委託の議論を開始。今年9月に登録支援機関のJA熊本中央会の仲介で、契約を締結した。
現在、8人のカンボジア人がナス、トマトなどの選果作業に従事する。11月から来年2月までと5、6月の計6カ月間、同選果場で作業する予定だ。
選果施設の永井豊運営委員長は「JA阿蘇との連携で、最盛期の雇用確保が楽になる。特定技能外国人ともコミュニケーションを取りながら、働きやすい職場環境をつくっていきたい」と話した。