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荒れた土地を開墾 「農の原点」に触れる 就農希望者など集め「塾」/NPO法人・九州エコファーマーズセンター

2020.03.07
4人で木の根を掘り起こす参加者

 新規就農支援を手掛ける、熊本県のNPO法人・九州エコファーマーズセンターは今年、耕作放棄地を復活させながら、農や食への理解を高める「開墾塾」を始めた。秋ごろまで全4回に分けて放棄地の耕起、栽培・収穫、農産物を使った調理まで体験する。初回には就農希望者、大学生、留学生、JA連合会職員ら約40人が参加。荒れた土地を農地にする「農の原点」となる作業に汗を流した。

 熊本県の西原村教育委員会と、東海大学が協力する。初回は2月上旬にあった。塾の発起人で元JA熊本県信連理事長の前鶴義博塾長は「仲間と一つになることで(力が)発揮され、高い目標を達成できる」と意義を訴えた。

 参加者が訪れた同村の農地は約10年放棄され、林と化していた。手作業で開墾を始め、のこぎりで木を切り倒し、くわやスコップで木の根を掘り起こした。

 数人で根を抜いた東海大学の学生は「やっと引き抜けた。木はすごい」と感想を述べた。作業の後半は重機も使い、約4時間で全20アールを耕した。次回はサツマイモを定植する予定。

 参加したJA連合会の職員は「手作業で数十分かかる仕事が、機械では一瞬で終わる。その時間の分、創意工夫や互いに協力する機会を失っているのだと気がついた」と話した。当日は同大学農学部の村田達郎教授が農業が生む精神的な豊かさについて講義した。

 同法人はこれまで約240人の新規就農者を育成・輩出してきた。同法人の木之内均理事長は「農地や農機が最初からそろう最近の就農者は、逆に農業に必要な力を失いがちだ」と指摘。「開墾で農地のありがたさを知り、農の原点に触れてほしい」と説明する。