熊本の農業

これを食べたら忘れられない。スイカ生産者でありながらこの味には感動する。
米加田 健友さん 智美さん/山鹿市鹿央町

2017.04.25

これを食べたら忘れられない。
スイカ生産者でありながらこの味には感動する。

小玉スイカ「ひとりじめ」
果皮が薄く食べごたえがあり、糖度も13度前後で強い甘みが特長。
贈答用にも人気で、特に3・4・5月は美味しいものが揃う。

 熊本県は全国屈指のスイカの生産地。山鹿市鹿央町は比較的温暖な気候で土壌・地形などの自然条件に合っており、地下水が豊富でスイカ栽培に適した環境とされている。その地で農業を営んでいるのは、米加田健友さんと奥様の智美さんご夫婦。家族は父と母、二人の息子と娘の七人。手掛ける作物は、スイカの中でも評判の高い小玉スイカ『ひとりじめ』。「父の時代は大玉を作っていたが、時代のニーズによりお客様の嗜好にも対応すべきと考えた」と、小玉スイカへのシフトを決めた。この小玉スイカの特長は、小玉でありながら大玉スイカ並のシャリ感があり、糖度も高く、甘くておいしい。果肉がぎっしり詰まっており、充実した満足感を味わうことができるという。「これを食べたら忘れられない。スイカ生産者でありながらこの味には感動する」とその魅力に惚れ込んでいる様子。

たまに僕が怒られたりもする。
だんだんパワーバランスが変化してきたような(笑)

 美味しいスイカが出来るまでには、様々な困難が待ち受けている。「とにかく量が多いので、それをこなす大変さ。それと天候の変化と温度管理。スイカが割れたり、着果しなかったり、玉の大きさだったり、糖度など、そのすべてが温度管理にかかってくる」と難しさを口にする。智美さんも「最初は体が辛く、慣れるのに時間がかかった」と大変さを語りつつも、「結婚前にOLだったときは、会社の全体が見えていなかった。一方、農業は種をまいて出荷まで、最初から最後まで全部関わるので、やりがいや達成感を感じる」と頼もしさを見せる。「よく頑張っていると思う。意見も言ってくれるし、たまに僕が怒られたりもする。だんだんパワーバランスが変化してきたような(笑)」と健友さん。「でも、あくまでも主導権は旦那様ですから」と智美さんもとっさのフォロー。なんとも素敵なご夫婦だ。

「小玉スイカの概念が変わった」
と言われたときには心から嬉しかった

 嬉しい瞬間を尋ねると、「直売所で直接お客様とお話をさせていただく機会があり、『米加田さんところのスイカ、本当に美味しかった』、『小玉スイカの概念が変わった』と言われたときには心から嬉しかった」と健友さん。基本的に『夢大地』のシールが貼ってある『ひとりじめ』は、どれを食べてもハズレはないという。「米加田農園と名前を付けて直売所に出荷するからには、確実に美味しいものを選んで出している」と自信を覗かせる。

しっかり収益を得て、
充実したライフスタイルを見せていく

 最後にビジョンを聞いてみた。智美さん、「できるところまで畑に出て、頑張っていきたい。そのためにも体を鍛えます」。健友さん、「業界としては売上も上昇しているにもかかわらず、後継者が不足している状況。かと言って息子たちに継いでほしいという気持ちは特にはない。職業選択の自由ということで、本人の希望を優先したい。今後、自分にできることは、しっかり収益を得て、充実したライフスタイルを見せていくこと。みんながそうしていかなければ業界自体が続かないので、自らそれらを体現していきたいと思う」。

   

作業行程は主に、「種まき」からはじまり→「苗の準備」→「定植」→その間、並行して「ハウスのビニル張り」や「畑の土づくり」→「つる引き」→「交配」→「摘果」→「灌水」→「マット敷き」→「収穫」という流れ。

家の中じゃ話さんこともハウスの中だと自然に会話がはずむとですよ。