熊本の農業

家族のために、地域のために、そして、これからの農業のために
池田 実さん / 菊池市

2017.02.15

 美しい山々を遠くに望み、爽やかな風と煌く太陽が降り注ぐ菊池市の丘陵地帯。その地で専業農家を営む池田実さんは、就農8年目の31歳。3代目として祖母、両親と共に家族3代で家業を守り続けている。手掛ける作物は〝水田ごぼう〟。お米を収穫した後の田んぼで栽培するこの地域ならではの特産だ。その歴史は、畑地で栽培されていたゴボウの連作障害が問題となり、昭和40年より水田での作付試験から始まる。その後、畑地より柔らかく香りの強いゴボウ生産に成功し、昭和42年より栽培が本格化した。「土の柔らかさでゴボウ自体も柔らかく、水分も多く含んで美しい白さになる。もちろん味や香りの良さは言うまでもありません」と池田さんは自信を覗かせる。

水洗い&ブラッシングして、美しい白さになったゴボウを選別カットするお母さん。
田んぼから掘り起こしたばかりのゴボウを、トラックから下すお父さん。

困難だからこそ気付くことができる「奥深さ」「面白さ」

 池田さんは最初から就農を決意していたわけではなかった。「正直なところ専業農家になることは考えていなかった。以前農協で働いていたこともあり、農業に携わる職に就きたいとは思ってはいたが、あくまでも手伝い程度のスタンスだったので」と苦笑い。しかし、やっていくうちに楽しくなり、気付けばのめり込んでしまったという。当然壁にぶつかることもしばしば。「実際に始めてみたのはいいが、困難の連続でした。簡単にできるだろうと高をくくっていたが、考えが甘かった」と当時を振り返る。ゴボウは土の中で育っており、栽培技術が難しく、実際に掘ってみないとわからないため困難を極めるのだとか。だからこそ〝土づくり〟には最も気を遣っているという。「農業ってやっぱり奥深いですね」と言いつつも「掘る時のドキドキ感がたまらない」と、その魅力にもっぱら取りつかれている様子。その分、収穫したときの感動もひとしお。「この仕事をやっていてよかったと思う瞬間ですね」と満面の笑みを浮かべる。

家族と共に、家族の為に。

 家族3代で営むことについては、「当たり前のように毎日やっていますが、家族が一緒に仕事できることは、とてもありがたい。一昨年に結婚したのですが、たまに奥さんも手伝ってくれますし、いずれ一緒にできるようになればさらに嬉しい」と顔を緩ませながらも、「結婚したことで、〝しっかりしないと〟という意識の変化が芽生えた」と家族を持つ男の表情に切り替わった。

り奥深いですね」と言いつつも「掘る時のドキドキ感がたまらない」と、その魅力にもっぱら取りつかれている様子。その分、収穫したときの感動もひとしお。「この仕事をやっていてよかったと思う瞬間ですね」と満面の笑みを浮かべる。 家族と共に、家族の為に。  家族3代で営むことについては、「当たり前のように毎日やっていますが、家族が一緒に仕事できることは、とてもありがたい。一昨年に結婚したのですが、たまに奥さんも手伝ってくれますし、いずれ一緒にできるようになればさらに嬉しい」と顔を緩ませながらも、「結婚したことで、〝しっかりしないと〟という意識の変化が芽生えた」と家族を持つ男の表情に切り替わった。

僕らの世代で 〝どうにかせにゃん〟

 「田舎なのでやっぱり後継者不足といった問題が顕著になってきており、僕ら若手世代で〝どうにかせにゃん〟と思っている」という池田さん。お年寄が増えている状況を踏まえ、昨年から同世代の青年部で耕作牧地での酒米作りを始めた。「空いているところは有効的に活用して、僕らの世代で盛り上げていきたい。確かに後継者不足、若手不足ではあるが、少人数ながらも一人ひとりは熱い想いを持った人間ばかりだから」と、強い決意を口にした。

夢は大きく、 可能性は計り知れない

最後に今後のビジョンを聞いてみた。「受け身ではなく、能動的に攻めていきたい。面積はまだまだ増やそうと思っているし、販売先も自分で新規開拓していきたい」。そう語る瞳には輝かしい未来が映っていた。

「水洗い・ブラッシング→選別カット→束ねて水槽へ(灰汁抜き)→乾燥→袋詰め・箱詰め」の行程を、家族3代で連携して行います。
おすすめは「きんぴらごぼう」たい(祖母 池田 ヤス子さん)